シンシア・フルーリーの考え(2)

彼女は2010年代にはいって、

考えを進化させている。

2015年の「勇気の終わり」では、

政治の舞台での勇気が失われつつあり、損得を省みない勇気ある発言や

行動がなくなってゆくと、政治や民主主義は停滞、腐敗してゆくことを描いて、

人々を鼓舞していた。

しかし2018年「かけがえのない人々」では、

無意識の「個性化」行為が、勇気に変わって社会を変え、新しい形を

生んでゆくさまを描こうとした。

SNS時代に人々が、集団の中で自分の個性を花開かせてゆく様を見て、

発想したものらしい。

たとえばインスタグラムで、自分のラップ作品を発表し続けて友をつくってゆく少女。

(ドゥルーズガタリの「ミル・プラトー」が40年前に夢想していた状態に、時代が追いついたかのようだ。)

さらに2019年「ケアが世界を変える」では、

高齢化ですすむ相互ケアの社会形態が、人の意識を変え、

新しい民主主義の形を生みはじめていることに着目。

 

いずれも、日本でも見ることのできるはずの事態だ。